親知らずの抜歯
第3大臼歯や智歯と呼ばれる歯のことで、海外ではwisdom toothなどとも言われます。横に向いて生えていることが多いと思いますが、顎の骨のサイズとの調和によっては綺麗に生えることもありますし、抜歯をしていなくても元々生えていない方もいらっしゃいます。概ね20〜30歳までが生えてくる時期と言われております。
まっすぐに生えている場合
横に生えているよりは抜歯がしやすいケースが多いです。ケースによっては(根が曲がっていたり、複数根っこがあるなど)横に生えている抜歯よりお時間を頂戴してしまう場合もございます。
難易度
★☆☆☆☆
横向きに生えている場合
歯の頭の部分と根っこの部分で分割して抜歯をしなければならないことが多いため、垂直に生えている歯よりは抜歯がしづらいことが多いです。
難易度
★★★☆☆
埋まっている場合
歯茎に埋まってしまっているケースですと、歯茎の切開をするところから抜歯がスタートするため、他ケースよりも難易度がグッと上がってしまうケースが多いです。下顎管(歯や舌や頬などをつかさどる太い神経が入っています)、と歯が近接しているケースも多いので、抜歯に際して注意しなければなりません。
難易度
★★★★☆
どのケースにしても術前のCT撮影にて精査を強く推奨いたします。
上顎洞(上顎の空洞)との関係性や、下顎の骨の中を通る太い神経との距離感を知れると、リスクヘッジができます。
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口腔外科日を詳しく見るこんな方は抜歯を
おすすめします
- 痛みや腫れを繰り返している
- 親知らずの手前の歯が虫歯になって
しまった - ものがよく詰まる
- 矯正のスペースコントロールを
するためには邪魔である - ほっぺたをよく噛む
- 上の歯が下の親知らずの歯茎に
よく当たる
必ずしも抜歯しなくて良い場合
- 自身での清掃状態が良くコントロールできているため症状が無い
- 向かい合ってる歯としっかり咬合して
いる - お口の中に神経のない歯がある
(将来割れた時、移植として使えるかもしれません)
当院の親知らず抜歯の特徴
-
口腔外科認定医が在籍
当院では大学病院にて診療責任者をしておりました口腔外科認定医が抜歯の施術を致します。今まで関わった抜歯の施術件数や精度についてはご安心いただけると思いますが、まずは抜歯する歯の状態やリスクの把握と診断をすることが大切です。口腔外科の認定医ですと、診断力も精度が高いので安全な治療のルートをご提案させていただくことができます。
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即日抜歯が可能
なかなかお時間や日程のご都合がつきづらい患者様には、歯の状態が問題なくケースとしてもリスクが低ければ即日での抜歯を推奨させていただくこともございます。また、来院時にお痛みがなくても数日後には体調変化や磨き残しの量によってお痛みが出てしまい抜歯ができないこともありますので、無理なく安全に抜歯できるケースであれば当日、即時抜歯をご提案させていただきます。
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複数本抜歯が可能
これも上記同様、ケース的に問題なく抜歯できるケースであれば、お時間や日程のご都合など見させていただいた上で同日に何本も抜歯をすることもございます。抜歯を同時に何本もするメリットが、抜歯を日を分けて行うデメリットを上回ったと判断した場合、複数本抜歯をご提案させていただいております。
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痛みに徹底的に配慮した治療
当院では痛みが全くない、もしくは極限に抑える様な工夫をさせていただいております。抜歯の際は、もちろん局所麻酔をいたしますが、浸潤麻酔という薬液を用いた麻酔を行う中でもさらに3つ
・歯肉頬移行部
・下顎孔伝達麻酔
・歯根膜麻酔
など、様々な手札を使い分けてお痛みを感じないような抜歯前の環境づくりをします。
もちろん、局所麻酔自体もお痛みを感じないようにするため、表面麻酔(歯茎など粘膜の表面に塗るタイプの麻酔)を1〜5分ほど置き、しっかりと表面の麻酔が効いたのを確認してから針を進めていくことで麻酔自体のお痛みも全く、もしくはほとんど感じない様になります。麻酔をした後は5〜15分ほど置いてから処置をスタートすることで、十分に麻酔が効いた状態で抜歯ができますので、麻酔がしっかりと効いていればお痛みは全く感じません。それでもまだ淡くお痛みを感じてしまう様であれば追加で麻酔を足すことでお痛みのコントロールをします。術前の汚れによる細菌感染が強かったり、体調によってはどうしても麻酔が効きづらいことがありますので、そういった場合はその状況に応じたベストを探し、ご提案させていただきます。
親知らず抜歯の痛みへの配慮を見る親知らずについて
生えてくるときの痛み
生えてくる時に歯肉をググッと押しながら出てくるため、痛みが出ることがありますし、萌出性歯肉炎という炎症を起こすこともあります。ジーンとした痛みや、なんとなく歯ブラシや指で触ると痛い時はこれが疑われます。
痛みの原因
清掃不良の場合に痛みが出ます。正確には、汚れがたまっている「だけ」では痛みがでず、免疫とのバランスが大事です。ご自身の免疫のパワーを下回る汚れのたまり具合であれば、お痛みは出づらいですが(出るケースもありますし、そもそも清掃不良はよくありませんが)、風邪を引いたり体調の変化やホルモンバランスの崩れなど、免疫に何かしら影響が出て、免疫のパワーが下がったりすることで汚れの多さの方が優位になるとお痛みが出ます。
親知らずによる症状
- 腫れ
- 激しい痛み(自発痛)
- 頭痛・肩こり
- 噛むと痛い
- 唾を飲むと痛い
- 顎を開け閉めすると痛い
- 拍動を感じる
- 血が出る
- 膿が出る
- リンパの腫れや痛み
- 発熱
親知らずと歯並びの関係性
親知らずが横に生えたりすることで前の永久歯のアーチを崩したり、歯のサイズと顎のサイズが合わなかったり、親知らずが邪魔になってしまっているケースなどで歯並びがゆがむ可能性はあります。
こんな医院での抜歯をおすすめ
親知らずの抜歯は外科処置になるので、衛生環境がしっかりと整っていて、術前・術中・術後の感染予防がしっかりとできているクリニックでの施術をお勧めしております。
正しい抜歯を行うためには正しい診断が必要になります。そのためには、最新の設備で検査が出来て現在の患者様の状態を詳しくデータ診断ができる環境が整っていることが大前提となります。また、施術そのものに関しても、大学病院などで毎日、抜歯などの外科処置と向き合われた認定医・専門医・指導医の先生が在籍している病院の方が、安心度は高いと思います。当院には認定医の先生が在籍しておりますので、お気軽にご相談下さい。
抜歯すべき最適な時期
痛くない時期に抜歯をするのが一番スムーズに痛みも少なく終わるかと思います。理由は、痛い時期だとまず麻酔が効かなかったり、術後様々なリスクがあるため、まずは飲み薬でコントロール・・・など、すぐに抜歯に移れないことが多いです。なので、痛くない時期に受診し、しっかりと抜歯の意義が確立されたら(ご自身の大事なプライベートなご予定などがなければ)すぐに抜いてしまう方が良いかもしれません。「また、痛みが一度でたけど最近は痛く無い」というかたも多くいらっしゃいますが、痛みがなくなった=問題がなくなったではありません。痛みの種である問題はまた眠っただけで再燃しますので、お早めにいらっしゃっていただきたいです。
矯正の際の親知らず抜歯の意味
歯並びが悪く段差があったり、綺麗なアーチにしたいけれども骨と歯のサイズが合わず正しく並び切らない時に、抜歯をしたり、歯の間にヤスリをかけてスペースのコントロールをしたりすることがあります。親知らずを抜歯すれば、一番奥の歯から順番に後ろ側(喉の方向)に移動させることができるため、前の方にスペースができて歯並びの改善を目指すことができます。
抜歯後の注意点
血流が大きく変化するような事は避けてください。長風呂・タバコなどは控えていただき、歯ブラシでも触りすぎると傷口を弱らせるので優しく清掃してください。強すぎるうがいをするとカサブタが飛んでしまうことでドライソケットになります。抗生物質は飲み始めたら必ず最後まで飲みきってください。
抜歯後の腫れや痺れ
腫れの程度
腫れの度合いは抜歯をした場所や、方法にもよります。左右差もあります。(右は腫れたが左は腫れなかった等)大きく腫れることもあれば少しほっぺが膨らむ程度で済むこともありますが、腫れの大小が予後の良し悪しではありません。
腫れる期間
早いと当日から腫れ始める方もいますが、2〜4日ほどでピークを迎え、1週間〜2週間ほどで消失していきます。
危険な痺れ方
明らかに麻酔は切れているはずなのに、ほっぺや口元を触っても麻酔がまだされているような感覚が残っているようであれば、抜歯の際の炎症が近くの骨の中に埋まっている神経にまで及んでいる可能性がございます。ビタミン剤などで治癒すると言われていますが、お早めの来院をお願いいたします。
抜歯にかかる費用
通常抜歯 | 約2,000円(3割負担のケース) |
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埋伏抜歯 | 約5,000円(3割負担のケース) |
CT検査 | 約3,500円(3割負担のケース) |
便宜抜歯(矯正時の抜歯) | 約8,000円 / 1本 |
親知らず抜歯の流れ
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レントゲンやCT撮影にて
歯の状態の確認術前の審査・診断を行います。その上で抜歯についてのメリットやリスクなどをご説明して、ご納得いただけたら施術の流れに入ります。
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表面麻酔
塗るタイプの麻酔をすることで麻酔の針の痛みを軽減します。
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浸潤麻酔
場合によってはご希望があれば、伝達麻酔と言って、普段の麻酔よりは強力な麻酔をさせていただくこともございます。
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抜歯する歯の周りの処理
垂直に生えている歯:歯根膜と言って歯の周りに付着している膜を剥がします
横に生えている歯:必要あればメスで歯肉を少し切り、歯の余計な部分を細かく分割することもございます。歯を囲むように骨が引っかかってしまっている場合は骨も少し削ります。 -
抜歯
てこの力や回転の力、輪軸の力などで歯を揺らして脱臼させます。
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消毒・清掃・洗浄・縫合
必要に応じて行います。
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再消毒・抜糸
約1〜2週間以内に行います。